まるっと落ちた

「恋」とは呼べないけど、「あなた」に

齢27にして初めてアイドル(Hey! Say! JUMP)のコンサートに行った話

(セトリバレありません)

帰り道はいつも通り暗くて寒い。
大してお腹もすいていないのにコンビニに立ち寄り、奮発してゴディバのアイスクリームを買った。
いつもと違うことをすることで、さっきまで過ごしていた特別な時間の余韻を少しでも残したかった。

Hey! Say! JUMP – I/Oth Anniversary Tour 2017-2018の東京初日に参戦した。
バンドが好きなので*1ライヴにはよく足を運ぶのだが、ド新規ということもありアイドルのコンサートは人生初。夏のアリーナツアーは全滅だったので、当選の文字を見たときは、ついに本物のHey! Say! JUMPに逢える!!と胸がいっぱいになった。が、同時にある一言を思い出していた。

普通のバンドと比べると、一体感がないよ。

これは急遽チケットが余ったからと誘われ、某グループのコンサートに行った友人(非ジャニヲタ)の言葉である。アイドルは曲に想いをのせるだけに留まらず、自らを届けるため動く。花道を駆け、トロッコに乗り、時には可動式のステージを利用し、文字通り縦横無尽に動きまわる。
そして、ファンによって推しは違う。
各々の推しの動きに合わせるため、必然的に客席の目線はバラバラになるし、彼らの絡み(肩を組んだり目線を合わせたり)を見て歓声をあげるものだから、黄色い声はランダムに複数箇所で発生する。そのバラバラ感が、彼女がコンサートを楽しめなかったとして挙げた要因だった。もちろん、それは推しがいない故の結果であって、自分の状況には当てはまらないのは理解していた。
だが、ジャニーズのコンサートは、もはやエンターテイメントショー。今までいた畑とは異なる未知に対する恐怖があった。その上、Hey! Say! JUMPのファン層は全体的に見ても若い。そのテンションとノリについていける自信が率直になかった。
せめてソロ参戦は避けたいとの一心で同行者を募り*2緊張とともに東京ドームへ向かった。思い返せばライヴ前に緊張する、というのも初めての経験だった。私がパフォーマンスをする訳じゃないし笑、一方的に推しを見たいというスタンスだったにも関わらず、心臓はずっと落ち着かなかった。好きなバンドを見に行くのと推しを見に行くのとでは、やはり心持ちが違う。

予め決めていた。どんなに遠い席でも構わない。初めて彼らと同じ空間に居合わせるのだから、豆粒だろうが米粒だろうがとにかくこの目に焼きつけよう。彼らの息の合ったダンスの全体像を見たい。極力モニターを介さず彼らを見よう、と。なので双眼鏡は持たず、推しである裕翔くんのうちわひとつで会場入りした。
まごつく私とは対照的に、流れるように発券された簡易なチケットには「アリーナ席 **ブロック 2列」と記されている。


は? アリーナの2列目?


大人だから取り乱しはしなかったが、心の中ではサンシャイン池崎並のボリュームで叫んでいた。
アリーナ!!?2列目?って?なんだ!????????
じゃんけんは負け越しが常。結婚式の二次会でのビンゴは、豪華景品が残る中たわしを引き当てた。そもそも、100人単位の会場でのライヴでさえ整理番号に恵まれたことは一度もない。まさに空前絶後だった。
いざ席につくとやっぱり近い。それは物理的に分かったが、目の前の道をJUMPが通る姿をリアルに描けない。映画の宣伝がスクリーンに出るんだーべんりー。DVDで見た景色だーすげー。などとヘラヘラしていたらあっという間に砂時計が動き始めた。

そこからのコンサートは、さらにあっという間だった。
なにせ初コンサートなので比較はできないが、全体的な構成としてはシンプルかつ王道で、10周年らしい演出が盛りだくさんだった。
その一方で、今まで眠っていた楽曲が掘り起こされたり、セトリ常連曲が大幅アレンジで披露されるので、どのタイミングでファンになった人も新しい発見ができる内容だったように思う。また、彼ららしい方法で、多少遠い席でも間近に感じられる工夫が凝らされているのが印象的だった。
心配していた一体感については、バンドに比べると確かに薄かったが、幸いJUMPの楽曲はキメ所が多く、ここ!というときにみんなで一緒にわーきゃー言える場面が多かった。年齢に関しても、想像以上にさまざまな世代の方が見受けられたので、そちらも杞憂に終わった。
ここからは朧げな記憶ながら9人それぞれについて書こうと思う。

MCで「ダンスブスだな!」と山田くんにイジられるも、花道では正真正銘のアイドルだったのは大ちゃん。俺のことすきなんだろ?という自信にあふれた眼差しが眩しくて直視できなかった。(うそ。死ぬほどガン見した)
BESTコーナーで登場する際、ウルフルズのバンザイを替え歌して「バンザーーイ!俺はありおかだいきー!このままずうっと、ずうっとありおかだいきー!!!」って言っていたのには公演中一番笑った。笑

髙木くんは最っっっ高にビジュアルが整っていた。恐らく他担であろう後ろの席の子が、うなされるかのように「ヤバい…雄也超かっこ良い…ヤバい…」と言っているのには首が折れんばかりに頷きたくなった。髙木くんの色気にあてられた人は須らくああなるのだと思う。
ファンに向かって手を振る時の、礼儀正しさを滲ませる優しい笑顔が印象的だった。

チワワのような瞳と最強にいい形をしている唇は合成ではなかったのだ…!と震えたのは知念くん。どれだけ前世で課金すれば、全パーツがあんなにパーフェクトにそろうのだろうか。全身を使ってしなやかに踊る彼は、遠目で見てもグループ最小の人には見えない。踊っているときとそうでない時のギャップがもはや憎いレベル。
近くの人のうちわに一生懸命応えているのが最強にかわいかった。

知念くんとはジャンルの異なるしなやかさな仕草や、ふにゃふにゃとした笑顔。控えめな歩幅で歩く姿。良い意味で等身大という印象を受けたのは伊野尾くん。アイドルオーラを放っていたのは間違いないのに、近寄りがたさを感じさせないのは才能としか思えない。のびのびしているけれど、MCでしっかり話題を振っている姿には「メレンゲやめざましでのスキルが生かされている…!」と謎目線で感動した。笑

一方、近寄ってはならないと畏怖に近い感情を抱かせるような圧倒的オーラをまとっていたのは、絶対エース・山田くんである。
いつ、どの角度から見ようがまったく歪まないビジュアル。指先まできれいなダンス。この世のかっこ良いと可愛いを平均化してぎゅっと凝縮したら山田くんになるのではないだろうか。彼の一挙一動への歓声は、あの日も間違いなくドームを揺らしていた。

八乙女くんの手は指が長くてきれいなのに、骨感があってしっかり男らしい。そんな手が響かすスラップはめちゃくちゃにかっこ良かった…!楽器はベースが一番好きなので、銀太郎の音色が生で聞けて本望。
黄色い歓声に包まれる花道を堂々と歩く姿からは、ひふみんのモノマネをしている人と同一人物とは到底思えず。沼が深いよ、沼が。

岡本くんは一番まんべんなく花道をまわってくれていたんじゃないかな?という印象。
ビジュアルもギターももちろん最高なのだけれど、そういう行動に人柄が見えるのが岡本くんが愛される一番の理由だと思う。MCでのみせコドをひとりで見に行ったエピソードも岡本くんらしくて愛おしかった…!
しかし個人的には7コーナーで妖しく煽ってくる岡本くんが最強にたまらなかった。端的に言ってエロい(真顔)

ふにゃっとした笑顔が印象的。字面では伊野尾くんとかぶるところがあるのだけれど、薮くんが手を振る姿にはどうしても国王感がつきまとう不思議まじ卍。
薮くんが歌うパートはどの部分も聞きいってしまって、ああ、彼の歌唱力は本物なのだなと改めて実感した。メンバー紹介の順番を間違えてしまい、思わず舌ペロしたらしいのをまんまと見そびれたのが(リズム隊ばっかり見ていた)今回トップレベルの後悔。

そして、裕翔くん。

ドラムを前に口パクで「かっこいい?」って聞いてくるところが最高にあざと可愛かった。そのドラムに導入された某美声で遊ぶ姿もめっかわ。そのくせ、一度叩き始めたらめちゃくちゃにかっこ良いのだからずるい。彼のバスドラに合わせて足でリズムを取りながら曲を楽しむ、という密かな野望を叶えられて嬉しかった。
ダンス曲も目は自然と裕翔くんを追っていた。メリハリのきいたダイナミックさが持ち味の彼のダンスはやっぱりかっこ良い。
MCでは「お土産を買いたいって思ってくれる人がいるんだよ!?」発言に対する(多分八乙女くんの)「おまえ心きれいかよ!」に123456789回くらい同意した。自分の心のきたなさを見ると同時に禊を受けたような気分になった。
裕翔くんは逆サイドの花道に行くことが多かったのだが、二度ほど目の前に現れてくれた。

たった3m
たった3m先に裕翔くんがいたのだ。
抜群のスタイル。さらさらで上品な金髪。ゆでたまごのようなつるっつるの白肌。その肌に流れるように並んだほくろ。特徴的な口元の傷。彫刻的な美しさの鼻筋。
世の子どもが今この瞬間の裕翔くんを見たら、絵本の王子様が飛び出してきたと思うに違いないと半ば本気で思った。そんな彼は、目の前で軽快にムーンウォークとエアギターをかまして颯爽と去っていった。 当たり前ではあるが、やることはやっぱり裕翔くんである。彼のそんなところがたまらなく好きだ。

こうして、私の初めてのコンサートは幕を閉じた。

ゴディバのアイスクリームは、濃厚な甘さを舌に残して一瞬で溶けていった。
コンサートも同様に、体感一秒ではあったが強烈な幸福感を脳内に残していった。
ライヴを通して活力をもらうことは多々あるが、あの幸福感はアイドル特有ではないだろうか。
またあの空間に行きたいと思う。
今回私と同じように、ファン年数や年齢を理由にコンサートに行くのを躊躇う人に「案外大丈夫だよ」と伝えたいと思い、あえて彼らそのものより自分の感情に軸をおいた内容にしてみました。一個人の体験ですが参考になれば幸いです。


2018年、いや平成30年も、君たちについていくぜ


*1:2017年はガンズ・アンド・ローゼズ、サンボマスター、空想委員会、フジファブリック、UNISON SQUARE GARDEN、女王蜂、ジャミロクワイ、レキシ、ペトロールズに行きました!

*2:私信:カオリさん改めてありがとうございました!