まるっと落ちた

「恋」とは呼べないけど、「あなた」に

Hey! Say! JUMPに演じてほしい伊坂幸太郎作品

伊坂幸太郎が好きだ
高校生の時、図書館でタイトルが気になって手に取った「アヒルと鴨のコインロッカー」の鮮やかな伏線と展開に感動して以来、文庫本が発売される度にちまちまと買い集めている
先日雑誌*1で大ちゃんが、自分と同じように高校生の時から伊坂幸太郎を好きだということを話していて、心の中でガッツポーズをした
どんなに小さくとも、共通点を見つけるとやっぱり嬉しい
伊坂幸太郎×JUMPと言えば山田くんのグラスホッパーだが、他のメンバーがもし伊坂幸太郎作品を演じるとするなら誰が良いか考えてみました

ただし、伊坂幸太郎作品はこぞって映画になっているので、これから挙げる作品も既に映像化されているものが多いです
そのキャスティングにカケラも文句はなくて、あくまで、JUMPでこのパターンも有りだなという視点です悪しからず


山田涼介
由紀夫(オー!ファーザー!) 

物語後半で軟禁される高校生という、被害者という意味では蝉と真逆のキャラクターを演じてほしい
得意分野が異なる父親4人(!)が、それぞれの教えを頭に叩き込んでいるため、成績優秀・スポーツ万能・ケンカも強く女子から人気と何でもできる由紀夫
だがその日常はとことん自由な4人の父親+個性的な同級生に振り回されっぱなしだ
例えば、父親の1人・女好きの元ホスト葵と出かけた時

由紀夫はあまりのことに目を覆い、耳を塞ぎ、「あーあー」と喚きたくなる。この男は初対面の女性に何というお節介を焼いているのか。しかもその男が自分の父親であるのだから、恥ずかしい。羞恥で死ぬなら、今死んだ。もう死んだ。ほら死んだ。(文庫 P.218)

父親が女性を口説いている姿を見て、恥ずかしさで死にそうになっている画を想像すると面白い
こんなコミカルな姿を見せる一方で、大学入試レベルの数学をスラスラ解き、フリースローもかっこ良く決め、ケンカ時には冷静な判断で逃げるという、蝉とはまた違うスーパーな山田くん、見たくないですか?

知念侑李
王子慧(マリアビートル)

キュートな笑顔が特徴の彼に、敢えてこれを演じてほしいと思った
マリアビートルはグラスホッパーの続編。なのでこれでもかというくらいたくさんの殺し屋が登場するのだが、その中で最も凶悪で残忍、かつ狡猾なのが王子慧である
王子はなんと言っても中学生なのだが

中学生であるにもかかわらず人生を数回こなしてきたかのような自信に満ちた表情で、「前にもおじさんに言ったけれど、どうしてこんなに思い通りになるんだろうね。人生って甘いね」(文庫 P.12)

などと言い、実際物語終盤まであらゆる事態は彼の思い通りに進む
自らの頭脳の優秀さ・運の良さを理解しているがゆえの絶対的な自信
大分ダークサイドに傾いているが、知念くんと少し重なる部分があるように思う
ちなみに下の名前はけいではなく「さとし」なのだが、試しに王子慧で画像検索したら案の定伊野尾慧が出てきたのでちょっと笑った。笑

中島裕翔
春(重力ピエロ)

鋭さを備えた眼に、官能的な曲線を描く涼しげな眉、鼻は高く勇ましさもある。美男子と言うほど軟弱ではなく、寡黙でありながらも敏捷な獣、たとえば豹さながらの力強さが滲んでいる。顔は小ぶりで、腕が長く、そのアンバランスな体型が、現実味を失わせ、言い方を変えれば魅惑的だった。

裕翔くんにはこれしかない。
仕事道具を背の高い順に並べる・本を五十音順に並べ直すなど、こだわりが強いところも裕翔くんに近いところがある
春は母が暴漢に襲われた結果できた子どもののため、兄・泉水とは半分しか血が繋がっていない。影のあるキャラクターなので、演技としても新境地を見せてくれると思う
アヴェ・マリアをBGMに裕翔くん扮する春が「儀式」を進める様をただただ見たい

岡本圭人
岡田(残り全部バケーション)

岡田の仕事は悪事の下請け、犯罪の派遣社員と呼ばれるような裏稼業
わざと車をぶつけさせて脅したり、弱みを握って強請ったりする職業の男に、なぜ岡本くんを選んだのか
それは、彼が相棒に話した仕事を辞めたい理由からだ

「(略)俺の仕事って、相手が泣きそうな顔になるじゃないですか」
「だから、とりあえずはやめようかと思ったんです。どうせなら、喜ばれる仕事をしようかと思って」(P.24)

なんだかすっごく岡本くんが言いそうな理由だなあと思いませんか
岡田は、相棒から誕生日プレゼント代わりに強請り相手から奪ったクレジットカードを貰っているのだが、偶然出逢ったある一家との食事に使うまでそれに一度も手を出さなかった
自分のためではなく、他人のために心を尽くす岡本くんに是非この役を演じてほしい

有岡大貴
優樹(透明ポーラーベア)

有岡くんには切ない役どころが似合う
幼馴染にいつまでも告白できない学生とか、片思いの相手から恋愛相談を受けてしまうとか。

僕は答えながらも、胸の中で、「繋がってる」という言葉が弾んだ。
繋がってる。今は繋がってる。今は、だ。いつまで、繋がってるんだ?
自分の内側に、これきりというくらいに顔をしかめ、奥歯を噛み締め、そう問いかけている僕がいる。いつまで繋がってるんだよ、答えてみろよ、と。(P.40)

という訳で、有岡くんには「人との繋がりの脆さを経験上知っているために、近い将来遠距離恋愛になるこれからについて悩む社会人」をチョイス
行方不明の姉の最後の恋人・富樫と、偶然動物園で再会したのをキッカケに動き出す、小さな奇跡の物語なのだが、その奇跡に涙する有岡くんはきっと可愛いでもなくかっこ良いでもなく、美しいと思う。ので是非引きとアップと両方で映像に残して欲しい素敵カメラマンさん頼んだ

高木雄也
佐藤(アイネクライネナハトムジーク内 アイネクライネより)

マーケットリサーチ会社勤務のごく普通のサラリーマンの佐藤

「アニメ?」その、冴えない宇宙飛行士のような人形を眺めつつ、僕は言う。どこの田舎者だ、と言いたくなるような外見だ。(P.28)

と言っていたのに、

「何買うんですか?」
「DVD、『トイ・ストーリー2』」僕は自分でも意外なほど照れることなく、そのタイトルを口にした。むしろ誇らしげだったと言ってもいい。(P.30)

とわずか2ページの間にトイ・ストーリーの魅力にハマってしまう素直なところとか、会社の先輩を元気づけるために先輩が感動したと言っていたボクシング選手のサインを貰う気配りなところに髙木くんを感じた
劇的とも奇跡的とも言い難い分、どこかにありそうな素敵な偶然と出逢いがつまったお話。斉藤和義さんのベリーベリーストロングという曲がこの小説とリンクしているので、ご興味のある方は曲と一緒にどうぞ

伊野尾慧
久遠(陽気なギャングが地球を回す)

映画では松田翔太さんが演じていらっしゃるが、原作を読んでいる時の久遠のビジュアルイメージは何故かHUNTER×HUNTERのクラピカだった。笑
ので中性的な顔立ちな伊野尾くんにこのキャラを任せたい
狙った獲物は百発百中の天才スリで、ちょっと特殊な特技を持った3人の仲間と銀行強盗をしている久遠。彼が掏った財布や携帯から情報を掴むことも多い
犬好きで、その人懐こさから当人も犬に例えられるキャラクターなので、伊野尾くんより大ちゃんっぽいかもとも思ったのだが、

「千葉県には落花生がぎっしり生えていると思ったのに、ちょっと期待外れだ」(文庫 P.371)

なんてセリフを大ちゃんに言わせる訳にはいかないので*2やっぱり伊野尾くんで。笑

八乙女光
ぼく(週末のフール内 鋼鉄のウールより)

キックボクシングをしている八乙女くんを見たい。ただそれだけ。笑
地球は滅亡する。そう予告されてから5年が過ぎた世界
5年過ぎても変わらずトレーニングに励む憧れの人苗場とジムの会長を見て、「ぼく」も再びジムに通い始める

「会長、どうですか、ぼくも結構、強くなってますか」帰り際、ぼくは席を立った後で、訊ねた。
「お世辞じゃなくて、おまえ、センスあるよ。小学生の時からも結構良かったしな。今も、再開三か月目にしてはかなり、いいよ」
嬉しい気分になって、ぼくは拳を強く握った。(文庫 P.201-202)

会長に誉められて素直に喜ぶ姿も、部屋に閉じこもってしまった父親と言い合いをするシリアスな場面も、八乙女くんだったら間違いなく演じられる。頼むからエライ人短編ドラマにして八乙女くんを起用してくれ

薮宏太
泉水(重力ピエロ) 

泉水は春の兄。つまり、裕翔くんの兄=薮くんということになる
遺伝子を扱う会社に勤めているというインテリなイメージや、少し抜けたところが共通するからというのもあるけれど、何よりやぶゆとは背高“ブラザーズ”だから*3笑、薮くんに決定!

「どこかで会って話そう。グラフィティアートと放火事件のルールが分かったんだ」
「え」
「辞書で、『すごい』を引けば、『お前の兄貴』と出てくるだろうな」
(文庫 P.290)

途中参加が嫌いな泉水は、弟に導かれるように謎解きにはまっていく
間に語られる兄弟のエピソードがいくつかあるので、そこも事細かに映像化してほしい
何度も読み返したくなる、最強の家族の話である


9人分書いておきながらアレだが、もし伊坂幸太郎を読んだことない人に勧めるなら「チルドレン」と「アヒルと鴨のコインロッカー」だ
チルドレンは登場人物はリンクしているが基本的には短編集なので読みやすいし、
アヒルと鴨は本屋に強盗に入って広辞苑を盗むというあらすじだけでも引き込まれる

興味のある方はJUMPワールドだけでなく、伊坂ワールドにも足を踏み入れてみてはいかがでしょうか

 

チルドレン (講談社文庫)

チルドレン (講談社文庫)

 

 

 

アヒルと鴨のコインロッカー (創元推理文庫)

アヒルと鴨のコインロッカー (創元推理文庫)

 

 

 

*1:With 7月号

*2:千葉出身の伊坂幸太郎だからこそのユーモアだろうけど

*3:ポポロ コンビ研究所 第26回